見るサリエーリ

サリエーリとその時代を図像で楽しむページです。 

 

サリエーリの肖像(世界の所蔵館より)

銅版画やリトグラフによるサリエーリの肖像画は世界の音楽図書館に所蔵されており、筆者も1点所蔵しています(下記)。これとは別に、油彩の肖像画や19世紀に写真版で複製された肖像も存在します。ここには所蔵館のデジタル複製から、肖像部分を中心に周囲をトリミングして掲載します。(水谷彰良)

 

左から「ヨハン・ゴットフリート・シェフナー(Johann Gottfried Scheffner,1765-1825)による銅版画、1800年頃。フランス国立図書館」「カール・フリードリヒ・リーデル(Carl Friedrich Riedel, ?-?)による銅版画、1802年。フランス国立図書館」「フランツ・エーメとミュラー(Franz Oehme & Müller)によるリトグラフ、1810年。フランス国立図書館」「ハインリヒ・エドゥアルド・フォン・ヴィンター(Heinrich Eduard von Winter,1788-1825)によるリトグラフ、1815年。フランス国立図書館」

 

左から「ヴィーンのシュタイナー社による銅版画、1819年。ニューヨーク公共図書館」「フリードリヒ・レーベルク(Friedrich Rehberg,1758-1835)によるリトグラフ、1821年。フランス国立図書館」「作者不明のリトグラフ。ニューヨーク公共図書館」「作者不明のリトグラフ。オーストリア国立図書館。左の肖像と同じに見えるが、明らかに目の部分の印象が異なる」

 

「作者不明の鋼版画(これはニューヨーク公共図書館がサリエーリの肖像として所蔵するが、疑問の余地あり)」「サリエーリのシルエット、オーストリア国立図書館」「E.Haderによる肖像のキャビネット・カード、1882年。ヴィーン劇場博物館」「リーデルによる銅版画(上記)への彩色。ライプツィヒ、1802年。ニューヨーク公共図書館」

 

左から「ヨーゼフ・ヴィリブロルド・メーラー(Joseph Willibrord Mähler,1778-1860)による油彩、ヴィーン楽友協会。Wikimediaより」「油彩の肖像画、レニャーゴのフィオローニ財団博物館。Comune di Legnago のフェイスブックより」

 

 

サリエーリとその周辺(水谷彰良コレクションより)

筆者コレクションから、関連図版を随時追加して掲載します(水谷彰良)

 

左「ヨーゼフ2世の肖像。ルイ16世の宮廷画家ジョゼフ・デュクルー(Joseph Ducreux,1735-1802)が1771年に描いた肖像画を基にルイ=ジャック・カトラン(Louis Jacques Cathelin,1738/39-1804)が彫版した腐食銅版画。パリ、1771年」

中「サリエーリの肖像。ハインリヒ・エドゥアルド・フォン・ヴィンター(Heinrich Eduard von Winter,1788-1825)によるリトグラフ、1815年」

右「グルックの肖像。J.S.デュプレシスが描いた1790年の肖像に基づくシモン=シャルル・ミジェール(Simon-Charles Miger,1736-1820)の銅版画(A.Durandによるヘリオグラヴュール、1860年代)」

 

左上から:「レーオポルト・モーツァルト、7歳のモーツァルトと姉ナンネル。カルモンテルの水彩画を原画とする銅版画 (A.Durandによるヘリオグラヴュール、1860年代)」「7歳のモーツァルト (W.ピノックによる腐食銅版画。ロンドン、1823年4月)」「モーツァルトの肖像 (同前、1823年3月)」「ハイドンの肖像 (同前、1823年2月)」「ベートーヴェンの肖像 (同前、1823年10月)」「シューベルトの肖像。シャルル=アルフォンス・ドブロワ (Charles-Alphonse Deblois,1822-?) による銅版画、1867年」「フンメルの肖像 (W.ピノックによる腐食銅版画。ロンドン、1824年2月)」「1822年ヴィーンで描かれた原画に基づくロッシーニの肖像。リトグラフ、パリ、1823年頃」

 

左から「シカネーダー邸でのモーツァルト歓迎宴会 (筆者所蔵は1879年の新聞に掲載された木版画。人物は左から、ハイドン、アルブレヒツベルガー、モーツァルト、サリエーリ、カヴァリエーリ夫人、シカネーダー、ランゲ夫人、グルック)」「歌劇《ダナオスの娘たち》1817年パリ・オペラ座再演の印刷台本」「ボーマルシェの肖像 (彩色。パリ、1876年)」「歌劇《タラール》のカルピージ (彩色。パリ、1876年)」「B. ドラローシュ (B.Delaroche,?-?.による《タラール》の舞台想像図。リトグラフ、1880年頃)」

 

 

生誕の地レニャーゴ(筆者撮影の写真)

サリエーリは北イタリアのヴェローナとロヴィーゴの中間に位置する小都市レニャーゴ(Legnago)で生まれました。現在はヴェネト州ヴェローナ県に属し、79平方キロメートルに25,000余の住民が生活しています。第二次世界大戦の爆撃で町の大半が破壊されたため、1750年8月18日の誕生から15歳まで生活した当時の旧市街の建造物で現存するのは中世城塞の廃墟の上に16世紀に建てられた要塞のみといわれます。以下は筆者が2000年に撮影した写真より。 

 

左から「レニャーゴ駅のホーム」「レニャーゴ教区教会」「サン・マルティーノ広場の噴水」「中世の城塞跡の要塞」「要塞の入口」

 

左から「レニャーゴの大聖堂(サン・マルティーノ)」「戦没者のためのモニュメント」「サリエーリの生家があった場所の建物」「生家跡の前の筆者」「同、プレート部分」

 

左から「テアトロ・サリエーリに向かう通りの筆者」「テアトロ・サリエーリ」「同 正面」「劇場前のサリエーリの胸像」「第1回サリエーリ・フェスティヴァルの垂れ幕(2000年)」

 

 

ヴィーンのサリエーリ(筆者撮影の写真)

14歳で母、15歳で父を亡くしたサリエーリは、ガスマンによって16歳の誕生日の2か月前にヴィーンに連れて来られ、以後亡くなるまでの大半をこの地で暮らしました。ゆかりのある建物や施設の写真はモーツァルトやベートーヴェンの文献でも扱われますので、ここでは筆者撮影の写真から、サリエーリの名を冠したレストランも含めてチョイスします。

 

左から「アン・デア・ヴィーン劇場の正面」「アン・デア・ヴィーン劇場の建物」「同劇場の前の路上に埋め込まれたサリエーリのプレート」「ヴィーン楽友協会」

 

左から「中央墓地のサリエーリの墓」「ホーフブルク宮殿 (旧・皇宮宮殿)」「ヴィーン国立歌劇場」「現在のブルク劇場 (サリエーリの時代とは異なる建物」

 

左から「ブルク庭園のモーツァルト記念碑」「ベートーヴェンの銅像 (1880年設置)」「シューベルトが1808年から1813年まで通った学校の場所を示すプレート」「ザイラーシュトラッセ17番のレストラン《サリエーリ》」「レストラン《サリエーリ》の看板」

 

 

イタリアのサリエーリ(筆者撮影の写真など)

ヴィーンでオペラ作曲家となったサリエーリは、1778年にミラーノのスカラ座で《見出されたエウローパ》を初演しました。続いてヴェネツィアのサン・モイゼ劇場で《やきもち焼きの学校》、ローマのヴァッレ劇場で《思いがけない出発》《羊飼いの貴婦人》、ミラーノのカノッビアーナ劇場で《護符》を初演、その足跡はナポリに及びましたが、祖国イタリアでの活動は1780年までの3年間で終わりを告げました。

 

左から「現在のミラーノのスカラ座 (30カ月の修復を経て2004年12月7日にサリエーリ《見出されたエウローパ》で再開場)」「スカラ座の内部」「ヴェネツィアのサン・モイゼ劇場に面した小広場 (劇場は現存せず)」「サン・モイゼ劇場があった建物の記念プレート」

 

「ヴェネツィアのサン・マルコ広場」「ヴェネツィアのフェニーチェ劇場 (再建後の建物)」「2000年ヴェローナで発売されたサリエーリ生誕250年記念ワイン」「同左のラベル」(筆者コレクション)

 

 

『アマデウス』からFateGrand Orderへ

ピーター・シェファーの劇『アマデウス(Amadeus)(1979年ロンドン初演)は世界中でサリエーリに対する関心を高めました。日本初演は1982年6月8日、サンシャイン劇場にて、松本幸四郎(サリエーリ)、江守徹(モーツァルト)、藤真利子(コンスタンツェ・ウェーバー)の主演で行われて大成功を収めました。翌1983年サンシャイン劇場と日生劇場で再演され、2017年には450回の上演を達成しています。これを受けて、2018年にFateGrand Orderにサリエリが登場して新たに脚光を浴びたことは皆さんご存知のとおりです。

 

「『アマデウス』日本初演のプログラム 1982年6-7月」「『アマデウス』再演のプログラム 1983年5-6月」「同前のチラシ」「『アマデウス』日生劇場開場20周年記念特別公演のプログラム 1982年12月」「同前のチラシ」(筆者コレクションより)

 

「『アマデウス』翻訳書の初版、江守徹 訳、構想社、1984年」「『アマデウス』2017年9-10月の公演プログラム」「同前のチラシ」「FateGrand Order ウエハース7  アントニオ・サリエリ」「FateGrand Order オリジナルミニ色紙」(筆者コレクションより) 

 

 

マテリアルで綴るサリエーリの生涯(平林敏彦)

 

切手蒐集家・平林敏彦さんによる労作です!

こちらをクリックしてご覧ください→ マテリアルで綴るサリエーリの生涯

【平林敏彦:日本ロッシーニ協会会員。(公財) JPS音楽切手研究会会員。ペーザロ:音楽切手・コイン部会会員、トレヴィーゾ:音楽切手サークル “IL PODIO” 会員。 著書:『音楽・切手の366日』(薬事日報社、2006年)】